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澱粉糊が最初に使われた時代
日本では仏教伝来以来、獣肉を食べることがタブー視されていたため、膠(にかわ) の使用は遅れ、日本書紀によると推古18年、はじめて油煙を固めて墨を作るために膠が使われました。

それ以後、弓の弾力を強めるため、木や竹を重ね合わせるのに鹿皮から 抽出した膠が使われました。そして、白鳳・天平時代になって、織物の仕上げに米や麩 の糊が使われるようになります。

のり
  また沈糊(じんのり/小麦粉を袋に入れて、もみ出した澱粉を煮たもの)が、平安時代から使われるようになりました。建具や家具の製作には、米飯を練った“続飯(そく い)”が、奈良時代から昭和30年頃酢酸ビニル樹脂が普及するまで、膠とともに使われてきました。往時は、これらの粘性のあるものを“ねまり”と呼び、これが『のり』の語源であるといわれています。

  時代は下り、江戸中期になると、澱粉糊は広く普及し、桶をかついで売り歩いたり 『のり』という看板を軒先に下げて商いしたりするようになります。一般の家では、 バランという草の葉に包んで腐るのを遅らせるように工夫。その上から和紙でくるみ、片端を切って押し出して使ったということです。ただ、この当時の糊には保存性はほ とんどなく、その改良は明治中期以降に待つようになります。
世界ののりの歴史
澱粉質を水に溶いて煮た糊が明治の中期まで接着に関して多くの用途に使われていました。(古くから米糊全体のことや、粥の焚きこぼれをためたもののことを姫糊と呼んで来ました。)
しかし、この糊はすぐに腐ってしまい保存ができませんでした。ところが、会社や官公庁の事務量の増大や、学校教育の発展に刺激され、事務用糊の必要性が認識されてきました。
ついに明治32年になって、東京の木内弥吉が腐らない糊の化学的処理に成功。
これが『ヤマト糊』の創始となり、わが国におけるびん入り糊の草分け的存在であります。
ただ、当初の事務用糊は腐敗しなくなったのですが、保存しているうちにだんだん粘性が失われてしまうことがあり、しかも姫糊と比べて価格が30倍も高く、この点で容易に普及しませんでした。
しかし、時勢の進展とともに改良が重ねられ、それにつれて事務用糊の需要は急激に伸びていきました。
明治末期には、事務用糊の真価が認められ、糊製造業は本格的基盤を築いていきます。
世界ののりの歴史
明治32年墨田区で生まれた「ヤマト糊」は、商標登録され、その後国内で75%のシェアを占めます。やがて中国、東南アジア方面へも輸出を開始。

その後、第二次世界大戦の原料不足による苦闘期間を経て、1950年、冷糊法と呼ばれる物理化学的方法によって、強い粘着力と劣化しない糊の製法を確立し、日本ではじめての化学的事務用糊として、製法特許を得ます。
1960年、事務用糊(澱粉製)の日本工業規格が制定され、ユーザーはJISマーク付きの品質の保証された糊をいつでも買えるようになります。
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