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>> のり物語
「糊」とひと口にいっても、思い出すかたちは人それぞれだと思います。スポンジキャップ付液状タイプのもの、口紅状のスティックタイプ、ピンクやグリーンのチューブ入り、また師走の寒さに追われながらする障子張りのハケと澱粉糊。
いつもはあまり気にもとめず、机や引き出しの隅に忘れたように置かれていることも多い糊ですが、私たちの生活のなかで、張り合わせたり、くっつけたり、なくてはならないものでもあります。
物を張り合わせるということは人類の歴史の創始から、現代文明の最先端、ジェット機や宇宙ロケットにいたるまで、皆その恩恵にあずかっています。
いわば、人類の進歩と歩調を同じくしてきたもののひとつに「糊」、接着剤があるといっても過言ではありません。ここで、その歴史をのぞいてみましょう。
今回は、その第1話。
まず石器時代、日本やシベリアでは、木槍の先に細石器をアスファルトで接着したものがこのころすでに使われていたらしく、その一部が発見されています。 紀元前6000年ごろの中国、5000年ごろのエジプトでは、獣や魚の膠(にかわ)や牛乳の凝固物が糊として使用されていたようです。
エジプトの壁画には膠を加熱して使用する方法が描かれていますし、ツタンカーメン王の墓からは、膠を使った家具・宝石箱が発見されています。
その後、エジプト文明の余波は、ヨーロッパ大陸から地中海、黒海、アラビア海沿岸に伝わり、小アジア住民は道路の石材の結合剤としてアスファルトを用いています。
また中国では紀元前2000年ごろから”ぬるで”の樹液を顔料の結合剤として使用。 この漆(うるし)の技術は、朝鮮半島を渡って日本へ伝わりました。 推古天皇の時代、玉虫厨子の漆絵が現存する最古のものといわれています。 また法隆寺の金堂には金を漆で固める工法も行われています。
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